すべての人のウェルネスを願って日本で開発された、ヒーリングシステム CS60

2021/05/13

Newsletter Vol.111

CS60ニュースレター CS60フランチャイズ 田畑浩良さん(第1回)

今回お話を伺ったのは、空間身体学研究所田畑ロルフィング研究所のロルファー田畑浩良さんです。長年のロルフィングの経験や技術をベースに、部分的にCS60を使ったアプローチをされています。その経緯についてインタビューしました。

―田畑さんは、ロルファーとしての施術を基本にしながら、部分的にCS60によるアプローチも取り入れているそうですね。まず教えていただきたいのですが、「ロルフィング」とはどういうものでしょうか?

田畑:ロルフィングとは、アイダ・ロルフ博士(Ida Pauline Rolf)が生み出したセッションです。彼女は柔組織(筋膜)にストレッチや圧を加えると、組織が動くことを発見し、「柔組織を本来あるべき位置に動かして身体のバランスを整える」というロルフィングの基本原理を生み出しました。

大抵の療法は「痛みを緩和する」というところに終始しますが、ロルフィングは、「体を教育する」という考え方なのです。体がシステムとしてまとまりをもち、効率の良いエネルギーシステムになるようにはどうしたら良いのかというのを考えています。

―筋膜にアプローチして姿勢を矯正するということですか?

田畑:古典的な考えでは確かに外圧で矯正するのですが、私の手法は、結果としてパーツがうまく並ぶように働きかけるという感じですね。

体を通して情緒や精神的なところにも作用します。体にためこんでいる余分なエネルギーを見つけて解放することで、体内の流れがよくなり、自然と滞りにくくなっていくのです。「いつの間にか過去のことに捕らわれなくなっている」ということを、体験談としてよく聞きます。

―日本ロルフィング協会に掲載されている体験談を読むと、「姿勢がよくなっただけではなくて、気持ちも明るくなった」という話がたくさんあるので、体だけではなく心にも影響があるのかなと思いました。

田畑:あると思います。体を通して、全人格的に働きかけるのがロルフィングの特徴の一つです。

―どうしてロルフィングに出合ったのですか?

田畑:中2のときに交通事故にあって、体のバランスが悪くなってしまったのです。事故直後はしばらく膝が痛くて。それがどんどん上がってきました。会社員になってからも、毎年ギックリ腰になって、寝込むくらいの痛みがありました。自分にとってはそれが当たり前になっていたのですけれど。ロルフィングを受けたら、痛みの程度が格段に楽になっていたのです。これは面白いなと思いました。その後、会社が請け負っていたプロジェクトが終わったときに進退を考え、ロルファーの道を志しました。

―そのときはどんなお仕事をされていたのですか。

田畑:当時は製薬会社にいました。薬を作ってがんの研究をしているのに、母ががんでなくなったこともあり、「もう少し違ったアプローチをしたい。自分の手をつかって仕事をしたい」と思っていました。そういうこともあって、思い切って会社をやめてロルファーの勉強を始めたのです。

―ロルフィングのどういうところに惹かれたのでしょうか。

田畑:最も惹かれたのはロルフィングではなく、ロルフムーブメントでした。ロルフムーブメントは、ロルフィングを踏まえた上で、新しく解放された体を日常生活の中でどうのように動かすかというところに主眼を置いています。

昔は、ロルフムーブメントプラクティショナーになるためのトレーニングと、ロルフィングのトレーニングは別々だったのですが、現在では、ロルフィングのベーシックトレーニングを終えロルファーとして認定された後でないと、ロルフムーブメント認定トレーニングに参加できないカリキュラムになっています。

ロルファーになってから出会った先生が、キャロル・アグネッセンスさんと、レベッカ・カーリミルズさんです。その2人にイールドを紹介してもらい「これをもう少し発展させていきたい」と思いました。

―イールドとは何でしょうか。

田畑:イールドというのは委ねたり、預けたりする動きで、いろいろな動きのベースになっています。セッションのときになるべく抵抗のないところから入っていくというのは、ソマティック・エクスペリエンシングでも強調するところなのです。安全な場を作ってから、少しずつ受け手の人が必要なだけ与えていきます。あまり一度に受け取ってしまうと、かえってマイナスになってしまうので。

―相手が怯えている状態、構えている状態で何か与えようと思っても、うまく受け取ってもらえないということですね。

田畑:そういう状態では、入力を「侵入」と認識してしまいやすくなります。それは頭でわかることではなくて、体の反応です。

―いきなり施術するのではなくて、繊細なステップを踏んでいくことに驚きました。

田畑:もちろんステップを踏まなくても、どんな入力でも大丈夫という方もいらっしゃるのですけど、いろいろなタイプの方がいるので、同じように見ない必要があります。

―なるほど受け入れ許容度を確認してから施術していくということですね。

田畑:そうです。痛みが何かの体験に結びついている場合は、「痛み=自分を傷つけている」という体験になってしまいますので、まずは安全な場を作るところから始めないと難しいと思います。そうでないと「痛かったから二度と受けたくない」ということになって、もったいないと思います。

(つづく)

*Rolfing®,ロルフィング®,Rolf Movement®,ロルフムーブメント™,Rolfer™,は米国 Rolf Institute の商標として日本でも登録されています。また、イールドの正式名称は、Yielding Embodiment®で、田畑浩良さんにより商標登録されており、この技法のトレーニングも行っています。

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