今回は中目黒のフェローシップ、下條夏彦さんにインタビューします。コーヒーを提供しながら施術するというボランティアにも力を入れている下條さんに、普段の活動について伺いました。
―下條さんの前職は何でしょうか?
下條:もともと20数年間、鉄鋼製品を運ぶ海運会社で営業の仕事をしていたのです。
港湾現場作業の立会いやお客様とのお付き合いなど不規則で遅くまで仕事するのが当たり前でした。
転勤で単身赴任も経験したのですが、だんだんと心身ともに疲弊し、ストレスを強く感じるようになってきたのです。
禅寺で座禅をしたり断食をしたりして、自分の心身のケアをしているうちにCS60に出合いました。
青山本部で3、4回施術を受けてみたら自分がクリアになっていく感覚があったのです。
そのうちに本部の方から「CS60やってみませんか」と声をかけられて、「そんな道もあるのか……」という可能性を見い出しました。
―今までのご職業とは全然違いますよね。
下條:まったく違いますが、ビビッときたのです(笑)。
施術者になるにはどうすればいいのかを聞いて、研修を受ける直前に退職しました。
社長には何をやるとは言わずに、「やりたいことがあるから」と言って退職させていただきました。
幸い後任の人もすぐに来て、引き継ぎもあっという間に終わったのです。
―トントン拍子だったのですね。
下條:不思議なくらいスムーズに事が運んだおかげで、CS60に集中できました。研修を受けて、最終日に開業届を出しに行ったのです。「もう戻る道はないぞ」と感じましたが、サロンをどこに出すかは考えていませんでした。ネットで情報発信しながら訪問型で始めようと思っていたのですが、たまたま中目黒のマンションのオーナーと知り合いになり、部屋を借りることができました。
―すごいご縁ですね。集客はどうされましたか?
下條:基本的にはホームページ等ネットで告知していますし、チラシも配りました。お客様は8割方仕事を持った30~50代の女性で、なかなかお年寄りが来なかったのです。ですから自分からお年寄りのいるところに行こうと思って、目黒区の特技ボランティアとして登録して地域のデイケアセンターにも通うようになりました。
―地域のボランティアとして登録すると、デイケアセンターに施術しに行けるのですか?
下條:登録してオファーを待つという形です。私の場合はたまたまのデイケアセンターの理事の方が目黒区の福祉法人の方と話しているときに居合わせて、紹介していただきました。それから「うちに来る?」という話になったのです。
―その場ですぐ紹介してもらって、話がまとまったのですね。
下條:それと、僕はコーヒーも好きでコーヒーインストラクターの資格を持っているのですよ。目黒区の福祉法人へボランティアでコーヒーを持っていったら「おいしい」と評判で、「地域の方の居場所となる交流サロンを作ってほしい」と頼まれました。
コロナで分断されている独居老人が多いので、地域のコミュニティスペースにコーヒーを飲みにきてもらうという「ふれあいサロン活動」の一環らしいのですけど。
当初場所がなかったのですが、サロンの近くのテナントビルのオーナーが協力してくれて自宅の大広間を貸してくれることになりました。
―コーヒーを出しながらCS60もしているのですか?
下條:ふれあいサロンではコーヒーを生豆から焙煎して挽いて、ハンドドリップで淹れて、「今日はケニアの豆を深煎にしてます」というふうに紹介をします。一通りサービスした後で「どこか痛いところありますか?」と施術しています。
―最高ですね! ボランティアでされているのですか?
下條:月に一度ですが、地域のご老人の居場所づくりを通してボランティアで施術もしています。お客様がどんどん元気になっていくのを見るのはうれしいですし、良い仕事に出合えたと思っています。
(おわり)