
- 2023/07/06
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Newsletter Vol.222
「Feel so happy」 作田美奈さん(後編) 出産時に生死の境目をさまよい、人生観が変わったという作田さんが、これからCS60を手に、目指すことについて伺いました。
―手術後はどんなふうにお過ごしになったのでしょうか。
作田:術後1日目の、ICUで過ごした夜は人生の中で一番長く感じました。
もともと看護師として働いていて、急変時や看取りの看護も経験していたので、解剖学的な展開は学んでいました。
しかし、いざ自分の番がこんな形でくるなんて、こんな思いがけない出産様式になるなんて。混乱しました。そんな中、今まで出会い、一部は亡くなられた患者さんたちの顔を思い出しました。
緩和ケアでは、モルヒネで疼痛コントロールをして、「聴覚は最後まで保たれているのでご家族に話しかけてください」とお伝えしていたのです。
生死を彷徨ってみて、それらのことは、尊厳を守るのにお役にたったことが分かり安堵しました。退院時に医師からは、今回のことは原因不明であること、稀な疾患で母体死亡につながる産科救急疾患であることを説明されました。
退院後も「原因不明」という言葉や、心身に感じた痛みは人生に重たくのしかかってきたのです。
そんな時に、息子のアトピーがきっかけでCS60を受けました。
痛かったけど、 施術後の軽やかさや温かさには感動したのです。―どういうところに心が動かされたのでしょうか。
作田:「こんなに身体って軽いんだ」と驚き、定期的に親子で施術を受けるようになりました。
さらに数年後、ご縁があって県庁で小児慢性特定疾病や指定難病の患者さんの受給者証をつくる仕事をしました。日々、業務のなかでは、後期高齢者広域連合の方や全国の保険者とやりとりする場面もあり、医療制度や公費について体系的に学ぶことができました。
いろいろな機関や人との繋がりの中で成り立っているシステムだと肌で感じることができましたが、「未来の可能性にアプローチしたい」という気持ちも芽生えていたのです。
CS60は未来の可能性や創造性にアプローチできる点に長所を感じたので、思い切って、FLになりました。―ご自身の経験があって、CS60のFLになられたのですね。その後サロンを開こうと思ったきっかけは何かあったのでしょうか。
作田:ふしぎな流れで患者として生死をさまよった産婦人科で、今度は看護師として働くことになったのがきっかけでした。
そこで様々な女性や赤ちゃんに出会い、患者さんの立場では分からなかった、景色や関係性を垣間見ました。「妊娠」という一つの出来事に、異なる背景、視座、態度や選択肢があることに驚きましたし、日本で女性として生きることの大変さや重さ、不自由さを感じました。
選んだ形をどう解釈するかで、その後の女性たちの人生の質もかわる印象をもちました。
いつの間にか、時間が止まって過去を生きているようになってしまうことも感じました。
私自身、出産時のアクシデントの解釈の暗い面に囚われていて、数年間心の時間がとまっていました。初回にCS60施術をうけた時、内側の止まっていた時計の時間が動きだしたような感じがして、自由の香りや、深い安心感に包まれたのです。CS60は、人生の過酷な場面でも小さい光をみつけ、明るく解釈する一押しになりました。
サロンをやろうと思ったのは、今を生きる女性が、ほっとできたり、内側を整えたり、女性性を美しく表現できる場があるといいなと感じたからです。
そういう場があれば、選んだ形を肯定的に解釈できるようになる、一つのきっかけになる可能性を感じたからです。
外側にとらわれず、年齢を重ねる美しさや、ご自身のカラダを好きになる、そんな女性たちがふえたらいいなと思います。お陰様で、サロンには地域で教育や福祉、創作活動などをされている女性たちが通ってくださいます。サロンの一番の長所は、感性豊かな女性が集ってくれる場であるということです。
年齢を重ねる美しさや自由の香りを思い出してほしいです。―今は看護師や事務の仕事を辞められて今自宅でサロンをされているのでしょうか。
作田:月に数回、看護師として介護保険事業や乳幼児健診の手伝いをしながら、自宅でサロンをしています。ChieArtさんのホスピタルアートや、植物でおもてなしをしています。個人の小さな活動なので、できることは限られます。ご縁を大切にしながら、10年後のサロンの姿を描いてゆきたいです。
(おわり)
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