前回に引き続き、CS60本部の研修チームで座談会を行いました。
FL(フェローシップ)を指導する上で気をつけていることは何か、
岡本博成さん、新井しのぶさん、大久保順子さんに伺いました。
―西村先生についてマンツーマンで教えてもらう形から、今のような研修の形にしていくのは、とても大変だったのではないですか?
岡本:いつ、どこから教えていけばいいかという内容を西村先生が考えてくれていたので、それをベースに少しずつ内容を作っていったんです。
実は詳細な施術のマニュアルを作ったことがありますが、先生に確認していただくと、「いらん」と言われました(笑)。
なぜかと言うと「マニュアル通りにやりなさい」と言うと、自分で考えなくなるからです。CS60は相手一人ひとりに向き合い試行錯誤することが大切だから、あえてマニュアルは作らないという方針でした。
―とは言え、言語化して教えないといけない部分もあると思います。そこをどうしたのでしょうか?
岡本:まずは基礎の部分を明確にしていきました。基礎を伝えることは、本部でしかできないことです。基礎とは家で言うと土台です。土台がしっかりしていれば、そこにどんな家でも建てることができます。西村先生もよく「スポーツ選手は、きれいなフォームでプレイをしていれば、怪我も少ないしパフォーマンスも上がる。CS60もそれと同じで基礎が大事なんだよ」と話しています。
大久保:長年施術をしていると、自分なりのアレンジを加えて応用するようになっていきますが、施術を指導するにあたっては、研修生が惑わないよう「私流」を入れず、統一した今の基礎研修の内容をみんなで考えました。
―マニュアルはいらないという西村先生の基本方針を踏まえながらも、研修チームは「これは伝えなければいけない」ということを取捨選択してきたんですね。
大久保: 研修のときに、「早く結果を出せる施術方法を教えてください」と多くの方に言われます。だけど結果を出すためには基礎が大事ということを、どういうふうに伝えればわかっていただけるのか常に考えています。自分自身と向きあうこともすごく大事で、相手のことばかり「良くしよう、良くしよう」と思っていると力が入りすぎて、自分の体もあちこち痛くなったりすることがあります。
―CS60は施術をする側の心構えも大事にしていますよね。
新井:施術者がお相手を良くしているわけではなくて、「お相手の細胞が元気になるためのスイッチをCS60で押しているだけで、お相手の細胞が凄いんです」と伝えています。そこを理解すると、どんな風に一生懸命施術したらよいのか気づくと思います。
―大久保さんは「ここは伝えるのが難しいな」と思うところはありますか?
大久保:今は研修や体験会で質疑応答の時間を取り入れていますが、私が入ったときは、疑問があってもなかなか答えてくれる人がいなかったのです。
電話をしてもなかなか繋がらなかったので、自分でどうにかするしかありませんでした。そのおかげで、「こうしたらどうだろう?」と想像を働かせて試行錯誤する習慣が身についたんです。
研修の中で、「すぐに効果の出る方法を教えてください」と聞かれますが、お一人おひとりと向き合いながら自分で考え、「こうしたら変化した」という感覚をつかむことが大事なんです。
―昔研修を受けた人たちは、気軽に質問できない環境だったからこそ、ハングリー精神が養われたのですね。
岡本:例えば腰痛でお悩みの方でも、原因や施術して良くなる箇所は個々で異なります。だからこそ、想像力が大事だというところをわかっていただきたいです。
大久保:西村先生も何万人も施術をし、技術を磨いてきたとお聞きしています。自分なりにやって引き出しを増やしてみる。そして答えにたどりつくということを繰り返すしかありません。自分の経験から落とし込むことをしていかないと、伸び悩んでしまうのかなと思います。
―研修を受けて、教わったとおりにやってもうまくいかないことがあると思います。そこで諦めないことが大事なんですね。
新井:*FL専用サイトの動画を見たり、定例Skypeでのアドバイス通りに実践しても、うまくいかない時こそがチャンスで、基礎の見直しをしたり、模索や工夫、研究したりすること自体を楽しんで欲しいです。
他の人は結果が出せるのに、自分ができないときは「どうやったらできるんだろう」と考えて、食いついてほしいんです。
食いついた結果、小さくても何かを得られたら、嬉しくて楽しくてCS60にハマってくると思うのです(笑)。
当てる角度を1度、当てる場所を1ミリをコントロールする世界なので、すべてを伝えることは難しいです。
私たち本部スタッフが伝えられるのは基礎、基礎の制度を高めること。そこから自分自身で試行錯誤していくのがCS60だということをお伝えしていきたいです。
(おわり)