すべての人のウェルネスを願って日本で開発された、ヒーリングシステム CS60

2025/03/06

Newsletter Vol.309

イギリス在住施術者 和田美河さん インタビュー(前編)

イギリスには、診察までの長い待ち時間や医療従事者のストライキなど、日本では考えにくい医療事情があります。そんな中、和田さんのような個人の施術者が活躍する場が増えているようです。

―本日はよろしくお願いいたします。まず、和田さんがイギリスで施術を始められた経緯を教えていただけますか?

和田:私はもともとイギリスでリフレクソロジーを中心とした出張マッサージを26年ほど続けていました。しかしどうしてもマッサージだけでは難しいケースがあって悩んでいたとき、友人から「CS60というものがあって、すごくいいらしいよ」と聞いたのがきっかけです。2024年1月に帰国した際にCS60の研修を受け、イギリスに戻ってからマッサージと組み合わせて施術を始めました。

―帰国のタイミングで研修を受けられたのですね。イギリスでCS60を使ってみて、反響はいかがですか?

和田:最初からCS60 は使えると信じていましたが、実際にその効力を見たく手探りしていく中で、「これは使える」という手応えをすぐに感じました。イギリスでは医療機関の予約が数カ月先まで取れないのが当たり前なので、「今日少しでも体がラクになれば嬉しい」と言ってくださる方が多いんです。

―実際、イギリスの方はどんな健康課題を抱えているのでしょうか? 日本との違いも知りたいです。

和田:原因がはっきりしない不調、たとえばMS(多発性硬化症)、パーキンソン病、Fibromyalagia(繊維筋痛症)のような症状に悩む方、また複数の合併症を抱えている方、筋肉が慢性的に固まったり、心臓の鼓動の不規則により不安症になってしまう等々です。病院の緊急外来で投薬をしても、一時的な対処で終わりがちです。イギリスは医師が慢性的に不足していて、なかなか根本的なケアまで手が回らないんですね。

ーお医者さんが少ないということですか?

和田:向こうの医者は診察に5-10分しかかけられないのが現状で、話をじっくり聞く余裕がないんです。まずGP(かかりつけ医)の診断を受けて、そこから専門医を紹介してもらう仕組みなんですが、GPの先生1人で数千人を抱えていることも珍しくありません。結果「次はOO専門医の予約を取ります、連絡をお待ちください。」と返され、その病院に行くまでまた3~5カ月待ちます。やっと順番が回ってきたと思っても、担当医がホリデーに行ってしまうと診察自体が数カ月延期になることがあります。そういう現状なので、代償療法にすがる傾向が多々あります。

―イギリスでは医療関係者のストライキも多いと耳にしました。

和田:はい。救急車の隊員や看護師、若手の医師も頻繁にストライキを起こしています。そのたびに待ち時間はさらに延びる一方なので、緊急性が高くないと判断されると半年先まで診察できないことも普通ですね。

―想像以上に大変な状況ですね。そういう環境だと、和田さんのような個人セラピストが貢献できる部分は大きいのかもしれません。

和田:そうですね、身体が辛くなると何とか少しでも楽になりたい、という期待感からお客様から連絡を頂きます。

―具体的にマッサージとCS60をどのように組み合わせているのでしょうか?

和田:まずはマッサージで全身をほぐしてから、「まだどこか痛みや違和感はありますか?」とうかがい、その部分をCS60でアプローチ。CS60を筋肉や関節に当てて、痛みを取っていきます。

ーお客様はどんな方が多いですか?

和田:大抵は肩こり、首のこり、腰痛を患っている方ですが、ご高齢の方や、原因不明の神経痛、乾癬(免疫低下からくる肌の炎症)、様々なな合併症を抱えていつ方、それと筋肉の硬直でお悩みの方がよくいらっしゃいます。大柄な方も多いですね。私のあるお客様で84歳の男性は重度の神経痛を患っていて寝たきりの状態で、私は毎回体の上によじのぼるようにして施術をします。よく痛みで眠れず困っていらっしゃいますが、CS60を当てるとすぐ寝入ってしまうんですよ。が、1年施術を続けて最近はたまに何処も痛みがない、と和やかに雑談をしながら施術をして帰ることもあります。

―日本だと「ちょっと試してみようか」くらいの感覚から始める人も多いと思いますが、イギリスではより切実に施術を求められている印象があります。ちなみに施術料金はどのように設定しているのですか?

和田:1時間8000円から9000円ですね。私が住んでいるブロードステアズという場所は田舎町で、高齢の方がリタイア後に暮らすケースが多いんです。イギリスの医療は基本的に無料ですが、大病院まで通う交通費も時間も、時に家族のサポートが必要です。ですので週1でも痛みの緩和を訪問の形で受けたい、という声が多いです。

―1時間の中でマッサージもCS60も両方受けられるのは魅力的ですね。

和田:マッサージでリラックスしていただき、その後CS60を使って指圧代替の施術を追加する流れなので、痛みが和らいだり、動きがスムーズになったりすると、皆さん本当にいい笑顔を見せてくださいます。私はその「にっこり」を見るまで帰りません(笑)。

西村:「にっこり」が一番嬉しいよね。ああいう笑みをもらえるっていうことは人生の中でほとんどありませんから。

(つづく)

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